『範士が語る』石塚 美文 範士 第2部

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『範士が語る』石塚 美文 範士 第2部

八段合格への道標

「調心、調身、調息の三つが整ってなければ技は繰り出せない!」

大会の開会式などで、高段位の先生による日本剣道形の演武が行われることがある。大会規模によっては、範士八段の先生方による迫力のある演武が拝見できる。マネをしようと思っても出来るものではないが、先生方の剣道形に対する考え方を理解すれば少しは近づけるかもしれない。

石塚範士は、八段となり指導的な立場となったときに剣道形について再度考えたという。そして導き出した答えは「剣道の稽古の原点」であった。「形一本にしても、礼法から刀を抜いて入っていく。構えを解いて下がり、正眼に構える。この時に乗っていないといけない。乗るためには呼吸から全てが整っていないといけない」と語った。剣道形の稽古を積むことで、竹刀剣道でも呼吸法、間合いの取り方、鎬の使い方、打突の好機が身につく。剣道形の練度が上がれば竹刀剣道の練度も上がる。このような関係性があると解説した。

剣道形の稽古をする際に、ただ形や流れを覚えるのではなく、一つ一つの動作が竹刀剣道につながるという意識を持てば、より意欲的に稽古が出来るかもしれない。剣道形の知識を深め練度を上げることで、日本剣道形だけではなく竹刀剣道も迫力のあるものになるのかもしれない。
 

 


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