絞り込み検索

カテゴリー
サブカテゴリー
シリーズ
タグ

    日本刀を観賞する

    main-image

    日本刀とは読んで字のごとく、日本で作られた刀剣を指します。丹精込めて磨き上げられた刀身には、「肌」と呼ばれる地鉄(じがね)に様々な模様が浮かび上がり、刃の部分には刃紋と呼ばれる焼き入れの跡があります。日本刀を観賞するときには、これらの部位を眺めていくことになりますが、どのようなポイントに注意をしなければいけないのかを簡単にまとめてみました。

     

    オンライン道場GEN:老若男女問わず学べる居合道が、オンラインで!

    1.姿を見る

    日本刀は造りが立体的であり、反りや切先、身幅、茎(なかご)などの特徴から時代を読み解くことができます。その時代の戦闘方法や生活様式、風俗によって決定されるもので、「一に体佩(たいはい)、二に地鉄(じがね)、三に刃紋」と呼ばれているほど、姿から考察することが大事です。鎬などは特有の見どころとなります。

     

    2.地鉄(じがね)を見る

    刀身でも焼きが入っていない少し黒味がかった部分を地鉄と言います。何度も折り返され丹念に鍛錬された鉄は、色や模様が様々に異なり、様々な呼び方によって分類されています。また鉄色にも各時代、各流派によって様々な特徴があり、肌の表れ方も異なるので、鑑定において大切な見どころとなります。地鉄は大まかには、杢目肌、板目肌、柾目肌、綾杉肌、無地肌の五つに大別されます。

     

    3.刃紋を見る

    焼き入れによって、鉄の粒子が化学反応を起こし硬度を増し白く見える部分が美しい模様となっている部分を刃紋と呼びます。刃紋は、流派や刀工によって様々な模様や特徴があり観賞の手掛かりにもなります。また刃紋の境目には「沸(にえ)」と「匂(におい)」と呼ばれる粒子が見られますが、これらも時代や地域を読み解くカギにもなります。

     

    4.銘を見る

    茎(なかご)には刀工の名前や作刀時期、所有者の変遷などが刻まれることがありますが、これらの情報も刀を読み解くポイントとなります。なかには一刀で胴体を何体まで斬ったという情報まで刻まれているものもあります。

     

    5.彫を見る

    刀身には、地鉄や樋のなかに彫刻が施されている場合があります。特に人気が高かったのは梵字や金剛杵、不動明王像、倶利伽羅竜などですが、密教的色彩の濃い信仰要素の強いものが多かったと言えます。もともと樋も彫の一種であるが本来は刀身の重量を軽減しまがりにくくするための実用的なものであったのですが、時代が新しくなるにつれ装飾的要素がさらに強くなってきて、次第に装飾的な樋の登場により彫刻とみなされるようになりました。

    6.まとめ

    刀を拝見するにあたっては、まず時代を知り、流派、系統も見定めてから、作者の個名を考えるのがいいでしょう。いたずらに個名を追い求めるのではなく、今後二度とこの刀を手に取って見られないという思い、つまり「一期一会」の気持ちで真剣に拝見する習慣を持つように普段から心がけていけば、自然と細部にまで目が届いて鑑定のコツを覚えていくことができます。

     

    オンライン道場GEN:老若男女問わず学べる居合道が、オンラインで!

    関連記事

    動画INDEX