これが本当の正しい居合刀の選び方だ
2021/10/27
居合刀とは、居合道で主に使用される模造刀で刀身が亜鉛合金で製造されたものです。本科仕様のような高級なものから初心者用に軽量なものまで様々な種類がありますが、今回は初心者の方が居合刀を選ぶ際は下記のポイントを押さえましょう。
1.購入前
先ずは自分の習っている道場の先生や先輩に相談しましょう。流派や道場によって刀の長さや重量が決まっている場合があります。長さや重量が決まっている場合はそれに従いましょう。長さや重量が決まっていなくても刀を選ぶ際のアドバイスが頂けるはずです。可能ならば購入前に道場内で多くの刀を振らせてもらいましょう。自分にあった長さや重さを知るきっかけにもなります。
2.購入するにあたって
もし店頭で購入することが可能な場合は、自分一人ではなく、出来るだけ先生や先輩に付き添ってもらうのが好ましいです。特に入門後間もない頃に刀を購入する際は付き添っていただくのが望ましいでしょう。所属する道場の視点からアドバイスが頂けます。またその際には帯を持参すると素振りだけでなく、実際に帯刀して使用感を確かめてから購入することができます。店頭でスタッフに使用感を確かめたい旨を伝えましょう。
自分ひとりで購入する場合や、インターネットで購入する場合は下記に注意点を記載しますので参考にしてください。
3.刀の長さを選ぶ
道場から長さや重量の指定等がない場合は自分の扱いやすい刀を選ぶようにしましょう。長さの一覧表があるのでそちらを参考にしてください。身長別で表記されていますが、身長よりも腕が長い人は身長ではなく、腕の長さで選ぶと良いかもしれません。手を開き、両腕を広げ、中指から中指までの距離を測ります。およそ身長と同じと言われていますが、人によってはこちらの数値を身長に当てはめた方が良い場合もあります。
腕が短い方も同様です。例えば身長が170センチ、腕の長さが165センチの方は165センチを基準に考えた方が良いように思います。また、初心者が刀を選ぶ際は五分短かめを選んだほうが良いでしょう。腰に差した状態で刀を抜き差しする事は慣れないと難しく、自分に合わない刀を使うと身体を痛めたり、変な癖が付いたりします。僅か1センチでも長さが変わると操刀に大きく影響します。所属道場の指定がない場合は少し短めを選ぶと良いでしょう。
4.刀を重さを選ぶ
初心者の内は少し軽めの刀を使う方が良いと思います。いきなり重量感のある刀を使用すると大きな負担が掛ってしまい、身体を痛めてしまうことになります。
最初の内は無理をせず、少し軽めの刀を選び、慣れてきたら相応の重量の刀を使うようにしましょう。重量も一覧表がありますので、そちらを参照してください。
5.バランスをチェックする
店頭で購入する場合は試し振りをさせてもらいましょう。手元重心や先重など色んなバランスの刀があります。個人の好みがありますので、納得の物を選びましょう。初心者の方は先生や先輩に見てもらうのが良いでしょう。自分が振りやすい刀を選ぶことが重要です。自分で購入する場合や、通販などで購入する場合で、もし好みのバランスがある場合は購入時にそれを伝えてみましょう(先調子や元調子など)。作り手側に使用者の好みのイメージが伝わります。
6.柄の形状や大きさを選ぶ
柄の形状は縁頭の大きさと形状で決まります。自分の握りやすい大きさを選びましょう。手の小さい方は小さめの柄にされると良いでしょう。通販などで購入される場合は手形を送るのもいい方法です。
7.柄糸を選ぶ
柄は刀に手が触れる唯一の部品です。巻かれている柄糸は材質によって使用感が異なります。主に木綿と正絹があります。自分と相性の良い物を見つけましょう。
木綿糸はしっかりしており丈夫で、汗による滑りもありません。初心者や手汗の多い方にお勧めです。反面ややゴツゴツした感じになります。滑らかな手触りを求められる方には正絹をお勧めします。
正絹は絹糸独特のツヤがあり、見た目も大変美しく、全体的に高級感が出ます。丈夫で手触りも良く、使い込むほど味が出ます。耐久性を比較すると木綿の方が優れています。また、一部の手汗の多い方からは滑るといった声も耳にします。
どちらも一長一短があり、好みも分かれますが、初心者は木綿をお勧めします。自分にあった物を選ぶようにしましょう
8.鞘塗を選ぶ
鞘塗は呂鞘(ツヤ)と石目鞘(ナシジ)があります。鞘の扱いや手入れに不慣れな初心者の方には石目鞘をお勧めしています。鞘引きがしやすく、汚れも目立ちにくいという特性があり、大変実用的です。呂鞘(ツヤ)は見た目は良いのですが、鞘引きがし難く、汚れが目立ち、特に夏場では手汗も相まって使用感は劇的に悪くなることもあるので、刀に慣れてからにしましょう。