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    二刀流と脳

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    宮本武蔵といえば言わずと知れた二刀流の剣豪で二天一流の開祖です。そして二刀流とは、右手と左手の両方にそれぞれ刀を持って攻守を行う技術で、利き手に大刀(本差)を、反対側の手に小刀(脇差)を持った形が一般的です。日本刀は本来両手で柄を握って使用する目的で作られているため、片手で使用することや、両手を別々に使用することは技術的にも難しく、二刀を中心とする流派は少ないため、宮本武蔵の二刀流は特に有名になったといえます。

     

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    1.臨機応変に対応する

    実は武蔵も二天一流も基本は一刀操作ではあるのですが、二天一流の二刀を使う原理は、二刀で稽古して、右手でも左手でも、一刀でも二刀でも、自在に操作可能にするということです。室内といった狭い所での戦闘や多数の敵と対峙しなければならなくなったときにも、臨機応変に対応できるようにする。つまり右手で刀を持っていて、右手を使えなくなってしまったら左を使って応戦できるようにしておかなければならないというのです。

     

    このように武蔵は、右手でも左手でも同じように刀を扱えるように鍛錬をしなければならないというのですが、利き手と非利き手を同じように鍛えるというのは脳科学的にもいい働きがあるのです。

     

    宮本武蔵の浮世絵両手に木刀を持つ

    2.広がる可能性

    右手は左脳に、左手は右脳にリンクしており、その影響を受けて左右の脳が発達すると言われています。利き手が右の人は左脳が活発で、左の人は右脳が活発と言いますが、逆に言えば、非利き手とリンクした脳は、利き手とリンクしている脳に比べてあまり使われていないとも言えます。

     

    さらに、利き手ではない手を使うことで、ちょっとした不自由感を生み、それが脳の酸素消費量を増やすと言われています。この酸素の消費量が増えることで前頭葉を刺激するとも報告されています。前頭葉は、現在の行動によって生じる未来における結果の認知や、より良い行動の選択、感情の制御、物事の類似点や相違点の判断に関する能力と関係していると言われ、平常心を保ち、集中力を上げる効果も期待できます。

     

    脳とシナプス

    3.まとめ

    このことから、武蔵は合理的な戦術として二刀を使えるように鍛錬していたのですが、自然に脳をうまく活用する手段も得ていたと言えるかもしれません。五輪書の記載されているような戦場における平常心の保ち方や客観的な洞察と手引き、そして剣以外でも書や絵画などの分野で才能を発揮できたというのも、この二刀による鍛錬によるところもあったのかもしれません。

     

    利き手ではない手を使うと言えば、爪を切るときくらいしかないのですが、剣とまではいかないにしても、字を書いてみたり箸を使ってみたりしてもう少し利き手ではない手をあえて使ってみるのも面白いかもしれませんね。

     

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