これが本当の正しい居合刀の手入れ法
2021/10/20

居合刀は、居合の練習用に開発された刀剣で真剣の刀身の代わりに合金製刀身を装備したものです。鞘や柄、金具などの刀装具は、真剣用のものを用いることもありますが、刀身は合金製のため、クロームメッキが施されています。このクロームメッキはその性質上防錆性に優れるため、手入れを怠ったからといってすぐに錆びることはまずありません。ただし、若干水分を嫌いますので、濡れてしまった場合には乾いた柔らかい布で拭く程度で、日常的なお手入れは問題ありません。
1.居合刀の手入れ方法
ただし汚れがひどい場合や長期保存される場合には、以下のお手入れ方法をお勧めします。
まず柔らかい布にエタノールなどの無水アルコールを少し染み込ませ、刀身を拭います。そして別の柔らかい布に刀油(丁字油が理想的です)を少量染み込ませ、刀身を拭います。鍔や縁頭部分については、極少量の刀油を染み込ませた柔らかい布で軽く拭う程度で大丈です。
2.居合刀にやってはいけないこと
反対によくある間違いを以下に記載しておきます。
1. 居合用刀身に打粉を打つ
打ち粉には砥石の粉が入っています。コンパウンドのように、古い油を除去したり刀身に輝きを取り戻す研磨の役目があります。この打ち粉をクロームメッキを施した刀身に施してしまうと疵や鍍金剥がれの原因となりますので、絶対に避けてください。鍍金が剥がれますと、そのから合金の地から錆の発生するきっかけとなります。
2. 多量の刀油を刀身に塗布する
真剣と違って居合刀の刀身は錆びにくくなっているため、多量の刀油を塗布する必要はあまりありません。もし必要以上の油を刀身に塗布して鞘に納めてしまうと、その油を鞘の木が吸ってしまい鯉口が緩んだり、鞘木を傷める原因となりますので注意しましょう。
3. 分解する
居合刀は、真剣を元に練習用刀剣として作られていますが、真剣と違うところは、居合刀は真剣のようにばらしたり分解したりすることを前提に製作されていません。ですので高度な技術や知識がない限りは、ご自身で分解せずに必ず東山堂のような専門業者に依頼してください。無理に刀身を柄から外したりすると、各部に緩みの発生する原因となり、それが派生して柄などが破損する原因となり、大変危険な状態になることも考えられます。