『範士が語る』田原 弘徳 範士 第2部

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『範士が語る』田原 弘徳 範士 第2部

八段合格への道標

「日本剣道の根本はどこまで攻めて崩して捨てられるかだ!」

以前、筆者が若手の八段審査をを見学した時の感想は、七段審査を若くして突破してきた先生達なだけあり、体の移動には勢いがあり、技の冴えも惚れ惚れするというものであった。しかし、田原範士からは若手受審者に対する課題が語られた。

田原範士は「日本剣道の根本は攻めて崩して捨て身でしょ。これを身に着けてほしいですね」とした後に「若手が、ただ当てればいいという者が多すぎた」と苦言を呈した。ただ若い勢いで打っていても、理がない立ち合いを田原範士は認めないという。腰骨が立ち、背筋が伸びた立派な構えから生み出される風格と理にかなった打突がなくてはいけない。その為には攻めて崩して捨て身で打突することが大切である。

若手の受審者の中にはまだまだ試合に出場する機会のある先生が多い。特に都道府県対抗大会や国民体育大会の副将、大将という重要なポジションでの試合が多く、勝負に徹する稽古も大切な時期であるが故、切り替えが難しい。打たれてはいけない、なんとしても打たなければいけないという感情をコントロールするための精神的な稽古も、この年代の先生には重要なのかもしれない。

 


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