The pinnacle of adult kendo: All Japan Company Sponsored Kendo Team Tournament

01 20, 2021

English subtitles coming soon

全日本実業団剣道大会とは、1958年から開催されている実業団剣士のための伝統ある大会である。主催する全日本実業団剣道連盟は、剣道を通じて産業人の人格と、体位の向上および相互の親睦をはかり、もって我国の産業振興に寄与する事を目的としている。この大会には予選会はなく、連盟に加盟するすべての団体が参加権利を持ち、2019年には377団体、初段から七段までの幅広い段位の剣士が参加する、非常に大規模な大会である。
終業後、または週末の限られた時間を利用し稽古に励む実業団選手の社をかけた戦いをGENアーカイブの中から2018年第61回、2019年第62回、の決勝戦を取り上げる。

1.2018年第61回全日本実業団剣道大会
2.2019年第62回全日本実業団剣道大会

1.2018年第61回全日本実業団剣道大会

パナソニックES本社　×　富士ゼロックス本社
2017年第60回大会は決勝戦で東レ（滋賀）との関西対決を、代表戦の末勝利したパナソニックES本社と本大会で上位入賞常連となってきている富士ゼロックス本社の一戦。
先鋒戦、吉村（パナソニック）と上段の構えの米満（富士ゼロックス）の一戦。先鋒戦を勝利すればチームにとって勢いを与える。ここは米満が大技、小技をうまく組み立て試合中盤に思い切った片手面で1本を先取し勝利した。
次鋒戦、全日本剣道選手権大会出場経験のある山田（パナソニック）とこ先鋒戦の流れに乗りたい岩川（富士ゼロックス）の一戦。実力者の山田が序盤から積極的に岩川を攻め立て、つばぜり合いから分かれた直後、先に攻め込み先手を取り岩川が打ち込んできたところに小手を打って一本となった。その後、岩川が果敢に攻め込むも時間切れとなり山田の勝利となった。
次鋒戦まで終わり1対1の同点となった。次の中堅戦に勝利するとチームの勝利に大きく近づく。勝負の行方は同じ中央大学の後輩、高（パナソニック）と先輩上原（富士ゼロックス）の副将戦で決した。正剣の高と試合巧者の上原の勝負は必見。

先鋒戦　吉村大地×米満広将

次鋒戦　山田侑希×岩川力

中堅戦　勝見健太×東郷知大

副将戦　高優司×上原祐二

大将戦　足立翔太×北川清太

2018年第61回全日本実業団剣道大会パナソニックES本社　×　富士ゼロックス本社

https://gen-universe.com/video/375

2.2019年第62回全日本実業団剣道大会

NTT・本社　×　パナソニック・LS本社
前年優勝の富士ゼロックスを準決勝で大将戦の末破ったNTTと2年連続決勝進出のパナソニックの一戦。
名門東松館道場では少年剣士の指導者としても活躍している榎本（NTT）と新加入棚本（パナソニック）の中央大学出身2人の先鋒戦から始まった。先鋒戦、次鋒戦ともに激しい攻め合いの中で、有効打突と判定されてもおかしくない技が両チームともにあったが2戦とも引き分けとなった。勝負が動き出したのは中堅戦。
中堅戦は渡部（NTT）と永井（パナソニック）の体格のいい二人の戦いとなった。お互いにここで負けてしまうと一気にチームが劣勢になってしまうからか攻めきれない試合展開が続く。試合が終盤に差し掛かったところ、渡部（NTT）が小手を打つとよい打突音がしたが有効打突と判断した審判員は1名だけであった。両者この審判員の旗だけが目に入ったか、一瞬気を抜いてしまった。いち早く状況に気が付いた渡部（NTT）が周囲を見渡す永井（パナソニック）の面をとらえて一本を先取した。このまま時間切れとなって勝負が決した。次の副将戦では昨年も決勝戦を経験している髙（パナソニック）が果敢に攻めるも齊藤（NTT）の堅い守りに一本を取ることが出来ず引き分けとなった。
引き分け以上で優勝が決まる兵藤（NTT）と何としても勝たないといけない足立の大将戦。立ち上がりすぐに試合は動く。守りの気持ちが強かったか、兵頭（NTT）の手元が上がったところを足立がすかさず逆胴を打ち一本を先取し、これでチームのポイントは同点となった。お互いに一本が欲しいとこだったが有効打突はなく引き分けとなった。勝負の行方は代表戦に持ち越された。両チーム大将が登場。手に汗握る試合展開から目が離せない。

先鋒戦　榎本雄斗×棚本廉