『範士が語る』伊藤 陽文 範士
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『範士が語る』伊藤 陽文 範士
八段合格への道標
「剣道は、勝ち負けだけにこだわるのではなく殿様の剣道でないといけない」
高段位の審査に合格するために品位、風格を高めないといけない。しかし、打突や足さばきの技術とは違い、品位、風格の高め方は難しいと筆者は考えている。同様の悩みを持った剣道家もいるのではないだろうか。そんな私たちにとって伊藤範士の考え方は、課題を解決する糸口となるのではないか。
特別訓練員を引退し、指導者の立場になった伊藤範士は、ある言葉を思い起こした。それは伊藤範士が拓殖大学剣道部の4年生で大将を務めていた時、同大学剣道部の師範であった小山朝英先生から「勝負をするのは副将までだ。大将はチーム殿様なのだ。将軍なのだ。そういう剣道をすれば勝ち負けにこだわることはないぞ。」と言われたことだった。伊藤範士は「いまだに私は、剣道は、将軍の剣道、そして殿様の剣道でなくてはいけないと考えています。」と語る。そして、将軍や殿様のような、品位、風格を持った剣道を目指し八段まで昇段した。
伊藤範士のように品位、風格を持った人物や役職をイメージすることで体現がしやすくなるかもしれない。私はまず師匠から感じ取れる品位、風格というものをイメージすることにする。
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