『範士が語る』渡並 直 範士 第2部
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『範士が語る』渡並 直 範士 第2部
八段合格への道標
「審査において修業の成果を最大限に見せるには、どういうシナリオを描くかということ」
誰しもが昇段審査では、自分の良い部分を出したい、審査員に見て欲しいと思っている。しかし、剣道は体操やフィギュアスケートと違い、自分だけの調子ではうまくいかない。なぜなら目の前にいる相手に対応しなければならないからだ。では、普段の稽古でどのように意識をすれば、自分の良いところを審査で出せるのだろうか。
渡並範士は昇段審査で力を発揮する方法を「1分半なり2分。八段(審査)の場合2分というような時間の中でどういうシナリオを描くかということ」と語っている。普段の稽古から審査を意識して、立ち上がりから気を充実させるための発声、技の発生、そして立ち合い最後までのシナリオを自分なりに作り、それを稽古の中で実戦しておかなければならない。渡並範士の話の中では、相手の状況までもイメージを膨らませてシナリオを作っていた。
審査におけるシナリオの中には自分の得意技を必ず入れると思う。その技を出すためには、それまでの仕掛けや誘いが必要になる。場合によっては、その技を出す前に別の技を出す必要もあるかもしれない。いろいろなシナリオを用意して、相手によって使い分けるのもよいかもしれない。自分の剣道を最大限見せるためには、技量だけではいけないようだ。
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