『範士が語る』田原 弘徳 範士 第1部
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『範士が語る』田原 弘徳 範士 第1部
八段合格への道標
「気剣体一致の状態から無意識に出し切った打突は審査員の心を打つ」
剣道を続けていると「礼に始まり礼に終わる」という言葉は何度も耳にする。入門した時には、初めに礼法から指導する道場、学校が多いだろう。それだけ剣道において礼法は大切にされている。私自身も少年少女との稽古では模範となるように丁寧な礼法を心掛けている。しかし、田原師範の語る礼法の考えを聞き反省した。
田原範士は「礼の心は、相手を慈しむ、相手の良心に対する感謝、思いやりが根本にある。」また、「相手を見ないで、『うっす、うっす』という挨拶はありえない。こういった乱れた挨拶の原因は心がないからだ。」と語る。「ぜひ、(指導者には)立派な礼法を指導していただきたいと思います。」と私たち少年少女の指導に携わる者に求めた。
私は、稽古の際には丁寧な所作を心掛けてきた。しかし、私生活から、真心のある礼法ができていなければその場しのぎの礼法を審査員は見抜いてしまうだろう。審査に合格するためではなく、剣道の理念にある「人間形成」の面でも私生活から真心のこもった礼を実践し、模範となり、正しい礼法を次代に伝えていかなくてはいけないと感じた。
<GEN編集部 M>
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