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    『教士に訊く』長納 憲二 教士

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    『教士に訊く』長納 憲二 教士

    -守破離-技から心の剣道へ

    滝川第二高等学校に勤める長納憲二教士八段は大阪市都島区生まれ。長納教士が5年生の頃、剣道を題材にしたドラマやアニメが流行していた。さらに大阪拘置所内で行われていた剣道の稽古をみて興味を持ち、大阪拘置所少年部1期生として剣道を始める。

    八段を意識して稽古に取り組み始めたのは44歳の頃。八段審査には並大抵の努力では合格できないことを認識していた長納教士は、この頃から4:30に神戸の自宅を出発して6:00から行われる清風高校での2時間の朝稽古に週1回参加していたという。また、初芝高等学校での稽古会では西善延範士に稽古をお願いし、その際に左手の握り方についての指導を受けた。西範士は「長納くん、左手はどないして握っとんのや?」と竹刀を差し出され、長納教士が竹刀を握ると「なるほど、そういう握りもあるな。でも、こうやって握ってみ」と指導を受け、左手の握り方によって剣先が相手に効き、相手が反応することを実感したという。長納教士は「私が西先生に稽古をお願いした時には剣先が効いていなかった。だから(西先生は)君の剣道は八段としてまだまだダメと言われたような気がした」と言う。その後、左手の握り方について2年ほど工夫を重ね、稽古を続けたところ剣先が相手に効きだし、西先生の指導はこのことだったのかと理解できはじめた頃から、八段審査を具体的に意識し、初太刀の一本、すぐ打たない、攻めて相手を崩すという、いわゆる「先々の先(先に仕掛けて、相手の起こりを先に打突する)」の反復練習を始められた。これらの稽古には剣先の効きが重要だったのだ。

    長納教士はとある人物(現範士八段)を訪ね、その後の稽古の取り組み方を確立する。八段受審の回想、不合格となった1回目の審査と合格した2回目の審査内容の比較など八段審査合格を目指す、すべての剣道家にとってためになる盛りだくさん内容となっている。さらに今後八段としての役割について約30分語っている。


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