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    剣道の競技人口と他のスポーツと違う4つの魅力

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    日本と海外で剣道をしている人の人口はどのくらい?

    そして国境や文化の違いをこえ、剣道の何が人々を魅了するのでしょうか?

    データから剣道について学んでみましょう。
     

    1.全体の競技人口はどのくらい?

     

    競技人口を調査してみると「剣道有段登録数」は2016年時点で全体が約180万人。これは同じ武道の柔道と比べても、かなりの数。

    全日本柔道連盟の登録者数は16万人と比べてみると、剣道の人口は約10倍程度です。柔道についてはブラジルやフランスなどが日本の競技人口を上回っていることでも知られていますが、こと剣道に関しては世界の競技人口の7割以上が日本人となっています。

    その中で、女性は約55万人となっており、女性の競技人口はおよそ30パーセントとなっています。2011年の発表の約160万人からすると増えているように見えますが、この数字は段位を習得したが現役で続けていない人も含まれています。

    では、単純に人口は増えているのか、と探ってみれば、そうでもないようです。

    若年層、例えば中学生の現役競技人口の推移を比較してみると、2001年では約86,618人だったのが2015年では55,132人と3割近く減っています。仮に女子の割合を前述の30パーセントだと仮定すると、2001年では25,985人だったのが2015年では16,539人と1万人近く減少しています。最初期に比べれば著しく増えましたが、現在では少子化が進み、空手や柔道と同じく人口は減少傾向にあるのが現状です。

    ですが、武道の中では女性比率が多い競技と言えます。オリンピックで金メダル選手を輩出する女子柔道ですら、女性の人口は全体の20パーセントを下回っています。

    2.世界の競技人口

     

    日本に続いて世界で競技人口が多いのは韓国。2018年の世界剣道選手権大会の開催地でもある。

    世界全体での競技人口はどうでしょうか。国際剣道連盟がありますが、この連盟が設立されたのは1970年です。それ以降多くの国が参加し、現在の加盟国は57ヶ国にも及んでおり、年々増えています。余談ですが、また世界剣道選手権大会は3年に1度行われており、毎回たくさんの人が参加しています。

    競技人口は一位である日本ですが、二位の韓国で約50万人、三位のフランスでも約1万人と全体の3割は海外ですね。しかし海外では日本文化への憧れから道場が増加傾向にあるため、海外での普及率はさらに高まっていくことが予想されます。

    3.剣道は人間形成の修行場

     

    剣道に取り組むことは、自分と向き合うこと、他者と向き合うことの両方を鍛えていくことで、精神的な成長と幅広い年代の方とのつながるのが魅力。また日本では伝統的な道場が多く、子供のうちから習い事のひとつとして数えれるなど、文化としての根強さも感じられる。

    ルーツを手繰っていけば、剣道の前進にあたる剣術で、それは戦いで生き残るための技術を鍛えることが主たる目的、つまり自分が生き残るための道具だったわけですが、平和になるにつれて相手を倒すことから自分を鍛えるための精神修業をすることが目標となりました。

    全日本剣道連盟も「剣の理法の修錬による人間形成の道である」という理念のもとに剣道があるとしています。

    剣道が、他のスポーツと異なる大きな点は、単に試合に勝つことや誰かを負かすことを目的としているのではないことです。

    例えば、試合中に自分が一本取った時、ガッツポーズをしたり、よしっと声をあげたりする、喜びを表現してはいけないと指導されます。

    もしそのようなことをすれば「残心(ざんしん)」がないという理由で一本が取り消されることにつながります。それは、相手の選手を思いやり、どのような状況でも謙虚で誠意を持った態度を取っていないからです。

    逆に、自分が打たれたり、苦しい思い、理不尽な思いをしたりした時でも冷静に対応し、最善の方法を探していくような態度が求められます。

    4.激しい…そして礼に厳しい!

     

    剣道は礼儀作法が身につくので、はじめる理由でも意外と多い。

    稽古と試合は激しく、竹刀で打たれればもちろん痛いです。汗をかくので、蒸れたり、という一般のスポーツ競技と同じなところは同じですが、最後は「礼に始まり礼に終わる」と言われるほど「礼」に対して厳しいのが特徴。これは戦う相手を思いやり、何より自分自身の心や態度を律しているそうです。

     

    武道の世界は上下の序列が厳しいです。その環境で指導を受けることで一回りも二回りも人間的な成長ができます。お辞儀の文化の日本では、相手に対する礼儀は重要ではないでしょうか。社会に出てからも礼儀がしっかりしていれば恥をかかないですみますね。

     

    ちなみにこの礼儀という部分は、日本人の美意識として海外の人気の理由になっています。

     

    これまでの長い歴史によって培われてきた独特の文化があり、剣道の技術理論が構築される過程で神道や仏教、能楽や茶道などとも多くの関係性を持ち、それがより魅力的な文化へと発展していると捉えられているからですね。そのようなこともあり、海外では神秘と敬意を持って迎えられています。

    5.世代・男女を問わないところが凄い

     

    剣道は子供からお年寄りまで幅広い年齢層が一緒にできる競技。

    剣道は「生涯剣道」の教えがあり、世代間を越えて教え学ぶことが推奨されているからです。

    それは加齢とともに衰える筋力よりも技術、精神的な部分が重視されるからという理由ですが、身体構造的に男性ほど筋力のない女性でも続けやすいという言い方もできます。

    さすがに体力的な差を埋めたりはできるわけではないですが、それでも80歳を過ぎたお年寄りでも声を出した指導で、一度竹刀を持って向き合えば相手を圧倒することはよくある話。本当に幅の広い層にされている凄い競技です。

    また、人間関係も稽古を通して磨かれます。剣道を始めてみると、様々な稽古場に参加する機会があります。

    そこで出会うのは、性別も年齢も、時には国籍も異なる様々な人々です。生涯剣道といわれているように、小さな子からお年寄りまで一緒に稽古ができる競技だからこそですね。

    その幅広い世代の人々と触れ合い、お互いに尊重しあいながら稽古を行うという環境は、他のスポーツではなかなか味わえません。その交流を通して、他者とのつながりを持ち、お互いに切磋琢磨できることも魅力の一つです。

    6.専門店も多く、販売品も多い

     

    剣道具をどうやって手に入れるのかは、インターネットの普及でかなり簡単なものに。また専門店も多く、相談もしやすい。

    どこで買うの?インターネット?と思うかもしれませんが、道具専門店は実店舗もオンライン通販とっても多いです。なので道具の相談はとてもしやすいように感じますね。

    販売メーカーもそれなりにあって、子供用から大人用。極力痛くないにした防具、軽い防具や、夏用の道着、洗いやすいもの、なんていうのも開発して販売しています。

    有名選手がどこのメーカー、販売店のものを使っているか、なんてのも案外興味深いところです。話題になる道具で話ができたりもします。

    7.最後に

    少しだけあなたの剣道のイメージが変わりましたでしょうか? 単純に打ち合う激しいスポーツではなく、肉体と精神の成長や礼儀を習得など、人間成長を促す競技という点にご注目ください。

    あと幅広い年齢層の仲間を増やせることも忘れないでください。

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